さりげなく。
2022年3月1日のサラメシ冒頭は、郵便局にカレーを届ける前局長の話題でした。
サラメシ シーズン11(33)「郵便局のカレー▽橋田壽賀子の鉄板焼き」
高知県土佐市。退職した前郵便局長が作るカレーが、後輩の郵便局員たちに好評だ。カレーはもちろん、自ら手作り。ほぼ月イチペースで、みんなの楽しみな昼食になっている。カレーを通じた、心温まる交流とサラメシを拝見!
小さな郵便局、退職した前局長が、後輩のために月一回届けるカレー。微笑ましい話題ですが、ところどころに現実がふわっと顔を出します。
- 前局長が退職したのは13年前の53歳の時。営業などのノルマがきつくなり、今まで顔なじみで済んでいた間柄も「免許証の確認」などで面倒になり、退職を決意したが後悔はない。
- 前局長に抜擢された女性の現局長、郵便業務だけではなく保険や貯金の業務も少人数でこなす。カウンターで「民営化されたんだから、つぶれないということはない」。
見ながら思ったこと。
郵便局の民営化は2007年。地道に地元で郵便局員として仕事をしてきた前局長が、民営化で業務の質が変わり、退職を決意するしかなかったんだろうな。そして新局長は、民営化された郵便業務を新たな心構えで日々の業務をこなしてゆくんだろうな。
画面はルーを4種類入れて作られるカレーを、そして畳敷きの郵便局のバックヤードで食べられるカレーを淡々と紹介しています。
けれども、その中に、さりげなく入り込む郵政民営化の現実。いいとも悪いとも言わない。ただそこにある状況を紹介するだけ。
あ~、こういう表現私好きだな、と思いました。問題点を真正面からとらえるのも大事だけど、そういう取材や表現では萎縮してしまう対象などを、物や人のクッションをかませて紹介する方法。
…そういうふうに、社会問題を取り上げたいですね、と、お役所のPR誌の編集のお手伝いをした時に提案したら、「は?」と言われてしまいました。そんなことをおいしそうなカレーを見ながら思い出しました。
画像は特に意味はありません。観光案内から引用しました。
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