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最高裁の「非正規労働者への賞与や退職金未払いが不合理な格差にならない」旨の判決に思い出したこと。

ボーナスや退職金、非正規支給なしを容認 最高裁「不合理と言えぬ」

「頑張っても報われない」 非正規訴訟判決に中部のパートら落胆

(2020.10.14、中日新聞)

 

…。

私自身は現在は個人事業主という立ち位置ですが、一個人として社会の仕組みと向かい合う時、向かい合った担当の人に
「ああ、今自分と向かい合っているこの人も派遣だったり短期社員なのかな」と思うことがしばしばです。
そして、ちょっと思い出したことがあって投稿しています。

 

*              *                   *

 

昔、福祉的な職種に長年携わって定年退職された、人生の大先輩的な方のお宅に伺ったことがあります。
著書も何冊も書かれていてその分野では権威のある、けれども私のような者にもえらぶらない、気さくな方でした。
お茶をしながらのお話から、仕事と両立させての家事・子育ては大変だったけれども、それに見合うだけの収入を得たこと。そして、さりげない言葉から、お子さんは一流大学を出たことがわかりました。
新しい家には趣味の良い美術品。庭にはしつけの良い犬が座っていました。
そして、今は地元の文化的活動に尽力されているとのことで、通りに面した表の壁には展覧会のポスターが貼り出してありました。

確かにそれだけのことは仕事としてなされてきたのだと思います。そして成し得たことは、じゅうぶんな形で見返りを得ることができた。
ただ、職業として女性のために尽くされてきたその結果が、自分たちの後輩の勤務の境遇において同じような報酬や成果を得ることができない絶望的なまでの違いを産みだしてしまったのはどうしてだろう、という思いが、もやもやっ、と自分の中にわいてくるのもわかるのです。
その方が現役として公的機関に勤めていたのは数十年前のことですし、その方を責めてもはじまらないことです。が。

本を紹介します。


「官製ワーキングプアの女性たち」岩波ブックレット No.1031

 

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